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メン バー強制アンケート

第一 回メンバー強制似顔絵描き

第二 回メンバー強制似顔絵描き

第三 回メンバー強制似顔絵描き -new!

第一 回メンバー会話盗聴

曲作り について その1

曲作り について その2

曲作り について その3

曲作り について その4

 リ レー小説 「その後のわんた」(未完)

 メンバー好きな曲


連載小説 「あっぱれ秀吉くん」


*これは福島と、そのラブコールに応えてくれたバーのマスター ティンゴくんとのリレー小説である。
 「うっかり秀吉くん」とは第1話が同じである。
 たま〜に代打として泥人形が参加している。

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第1回 福島 新 2007年05月08日

秀吉は最近近所に見つけた、おかしな看板のことを考えていた。

「山影流 忍者道場 入門生募集」

いかにもうさんくさい忍者道場なるものに通って
強くなれるものかどうか怪しいものだが。
もっと体も大きく強かったら、学校でひどいいじめを受けこともなかったかも知れない。

カラテ馬鹿一代の中で倍達先生も
「力なき正義はなきなり」と言っているし。

「おい、秀吉。どけ。Wiiやんのに邪魔なんだよ」

秀吉が我に返るとテッシーが手に任天堂Wiiのあのコントローラースティックを持って
こっちを見下ろしていた。
テッシーとはアライグマのことである。
体長2メートル、体重250キロ。

幼いころテレビで見た「アライグマ ラスカル」に憧れた秀吉にペットとして
飼い始められた。
よりによって突然変異種だったのか、
成長して今じゃこの家の暴君と化している。

「スペース必要なんだよ」
「あ、ごめんね」
「トリップしてんじゃねーよ」

秀吉は何も言い返せないで、自分の部屋を出た。



第2回 ティンゴ 2007年05月08日

5年後… 





以前の弱々しい秀吉は何処にもいなかった。 
今、秀吉と言う名の青年を探すのであれば、そう、 






【山影流 忍者道場】 


時に彼は、 




すばしっこい。 

次の瞬間、 

もぐる。飛ぶ。くっつく。離れる。 

鍛え上げられた鋼の肉体は、まさしく凶器。 

過去に自分のことをいじめていた輩を一人づつ順番に、体得した忍術であやめていった。 



カイカン… 

カイカン… 


カイカ… 



夢か… 



公園のベンチで、つい眠りこけていたのだ。 
寝呆け眼をこすりながら彼の目に飛び込んできたのは、 
山影流道場へ入っていく一人の女の子! 





「う、上戸あや…あ・づ・み」 

気付くと道場の扉に手がかかっていた… 

その扉がパンドラの箱である事など、知る由もなく。 


第3回 福島 新 2007年05月08日

その前に。
秀吉は景気づけに、錠剤を口に放り込んだ。
いつも飲んでいる胃薬である。

「たのもーう!!」

道場の扉を開けると、そこに例の女子高生がいた。
が、よく見ると、上戸彩とは似ても似つかぬ自分の母親だった。
どっちかゆうと、大木凡人に似ている。

「凡ちゃ…いや、母ちゃん、ど、どうして!?」

うろたえる秀吉を尻目に、母は言った。

「なんや、あんたも入門希望かいな」



第4回 ティンゴ 2007年05月08日

少なからず衝撃を受けた秀吉であったが、錠剤が効いたのか、徐々に落ち着きを取り戻していった。 


話を聞いてみると、どうやら最近主婦の間で 
【忍術ダイエット】なるものが流行っているらしく、
秀吉の母親も近所の主婦仲間とへそくりダイエット、なのだそうである。 




と、そこへ… 



山影流道場の師範代と思しき男が現われた。もろ忍者ファッション、
手作りなのであろうか所々に蟹や海老などのアップリケがほどこされている。 


「おほんっ、私は本道場の師範代を勤めておる、山影であーる!」 

何処となくパクリ口調の山影氏であるが、 
明らかにヅラである。 

しかもそのヅラの際の所には、なにやら得体の知れない生物が寄生しており、隙間からはみ出ていて、とても直視できない。 


秀吉少年は大変な所に入門してしまったと後悔するも、出入口にはいつのまにか頑丈そうな鎖でぐるぐる巻きにされている。 

時に、秀吉ピンチ 



第5回 福島 新 2007年05月08日

そういうことで…

結局入門することになった秀吉。
ファミリー割引がきいたのも大きかった。


「ヒデヨシさーん、アナタ筋がいいネ」

秀吉は師範代の紹介で現れた弟子のクリスに
手裏剣投げを教わっていた。

「ニクイいヤツの顔写真、的に貼り付けてやれば、モア 精でますヨ」

クリスはアメリカのペンシルバニア州出身。
忍者に憧れて遥々海を渡ってきたのだという。
異様に分厚いメガネの奥にナチュラル・ボーン・キラーの死んだ目がある。

助けを求めるように母よし子を探すが、
夕飯の支度があるのでとっくに帰ってた。

山陰氏はとみると、

道場の脇にあるテレビでハロモニを見ていた。


そうだよね。
日曜の昼なんだから。



第6回 ティンゴ 2007年05月10日

秀吉少年はずっと気になっていた。 



道場の奥にある扉。 
【立入禁止】の貼り紙。 

中から聞こえる怪しい物音。時折鎖を引きずるような音や、
うら若い女性のうめき声のような音まで聞こえる気がする。 



一度気になってしまったらアウト。開けて中を見ないかぎり秀吉のもやもやは膨らむばかり。 




そう、甘く切ないあの… 
初恋のよう♪ 

いつのまにか秀吉は初恋の人に送ったラブソングを口ずさんでいた。 
(カッコはコーラス) 



♪きみのことは何でも知ってるんだ〜(尾行 
♪さそってダメならさらって監禁〜(さるぐつわ 
♪ゆうきをだせよバンジージャンプ(部族の掟 
♪ラララいっそこのままおまえを殺し… 




ここでビンタされたんだっけなぁ… 



第7回 福島 新 2007年05月11日

そう、思い起こせば、あれはひどく暑い夏の日だった。
ずっと好きだった、行きつけの美容院のあの娘に告白した日。
マホリって名前のショートカットで巨乳の娘。

髪を切ってもらっているとき、たまに乳が後頭部にあたって、
ピンコ立ちだったっけ…。

あの日を境におれの人生は狂ってしまったんだ。
告白するために呼び出したものの、緊張のあまり、
変な歌を歌ってしまった。

でもなぜろう、途中から、彼女のキモいものを見てひいている
視線の痛さが、快感に変わってきたのは。。

それからビンタ。

あのビンタをくらってから、頭のネジがとれたのか、
簡単な足し算もおぼつかなくなったのだ。



第8回 ティンゴ 2007年05月11日

甘酸っぱい初恋の思い出に浸っていた秀吉少年であったが、次の瞬間
驚愕の現実を目の当たりにする事となる。 



なんと、 
師範代の約70%がCG化されているのである。 


秀吉は慌てた、 


プロデューサーは誰だ! 
くそっ!幼い頃から憧れていた、CGデビュー。 
よりによってこんな奴に先を越されるとは… 


悔しさに打ち拉がれ、からっぽのごはんですよ状態に成り果てた秀吉に、
そっと手を差し伸べる一人の女性が… 

振り返るとそこには… 



第9回 福島 新 2007年05月11日

加護ちゃんがいた。

「どひぇ〜!! あんたホントに加護ちゃん?!」
「イエース」
「あ、やべ…」
秀吉はあわてて鼻血をぬぐった。

「確か芸能界ホされたんじゃ…!?」
「イエース」

「じゃ、これプライベート!?」
「イエース」

「お、おれとミクシーから始めてくださいっ!!」
「ノーウ!」



第10回 ティンゴ 2007年05月11日

突如その姿をくらませた師範代、入れ替わるように現われた加護ちゃん。 


秀吉は覚悟を決めた。 


極めようじゃないか、山影流忍法ってやつを。 


加護ちゃんと♪ 



とそこへ弟子のクリスが耳を疑うような事を言い放った。 


「じゃ、ヒデヨショさんとカーゴさん、ナウからレッツころしあいなさいゴー!」 


!!!!! 



第11回 福島 新 2007年05月11日

(ビュッ)

「うわっ!」
秀吉は思わずのけぞった。
加護ちゃんの手刀が喉元目がけて飛んできたからね☆

(加護ちゃんに殺されるのなら本望か)
と、一瞬思いもしたが、このまま童貞で死ぬのはやっぱりゴメンじゃ!

秀吉は死角から襲ってきた左ハイをなんとかかわす。
もはや後ろはない。

「Hey サムライボーイ! どうしたネー?
 ハラキリ魂見せてみやがれネー」
クリスが言った。

(くそっ、やらなきゃ、やられる!)

秀吉絶体絶命!
加護ちゃんが放ったパンチがあらゆる角度から秀吉を襲う。

(惑わされるなっ。本物は1つ…)



「………………見えたっ!!!」

「ぎゃあああああー!!!」
ものすごい悲鳴が道場に響く。


秀吉は爆発した。



第12回 ティンゴ 2007年05月12日

と言っても秀吉の肉体が爆発したのでは無い。 

彼の感情が、である。 




秀吉は涙を流していた。 

大ファンの加護ちゃんとこうして殺し合いをしている、忍びの道の険しさと加護ちゃんへの愛を再確認しながら… 



(おい、オレは一体何をやっているんだ。考えてみりゃオレ、いつだってこうだ、どうして素直になれないんだ、今こそ… 


そうだ!今しかないっ! 



秀吉は加護ちゃんの正面で動きを止めた。 

と同時に、 

「やめいっ!」 

師範代の声がとどろいた。すでに100%CG化され完全に実体の無い概念としての山影氏であるが、
秀吉のハートに直接響いた。 


が、加護ちゃんには響かなかった。 


「ジュキシッ!」 
かいしんのいちげき! 
秀吉は倒れた。 
「テレレッテッテテー」 
加護ちゃんはレベルが上がった。 



第13回 福島 新 2007年05月12日

「勝者、カーゴちゃ〜ん!!」
クリスが告げた。

秀吉は悟った。
もうここにいる権利がなくなったことを。。
クリスと加護ちゃんは勝利を称えあってハグしてる。
……うらやましい。

秀吉は痛む体を引きずって、道場を出た。


「お!? 兄貴じゃ〜ん」

聞き慣れた声に顔を上げると、弟の秀長とその彼女だった。

「きゃ〜、なんか血まみれ〜、ってか血まみれ〜」
秀長の彼女はギャルだった。

「ぶっちゃけ血まみれじゃ〜ん。またいじめ受けてんのかよ。だせー」
秀長はギャル男だった。

二人はこれから渋谷に、パラパラの特訓に行くところ。



第14回 ティンゴ 2007年05月12日

「ったく秀長のやつ、ちゃらちゃらしやがって」 

正直秀吉はうらやましかった。何をやってもてんでダメな自分に比べ、弟の秀長はというと、
学校の成績はトップクラス、
恵まれた体格をいかして始めたバスケはNBAが資金提供をするほど。
日本人離れの顔つきとスタイルはファッション業界で争奪戦が繰り広げられている。
モテルどころの騒ぎではない。彼には欠点が、無い。 




「秀長のやつ、渋谷に行くっつってたな。 




流行の発信地か…」 



気付けば二人を尾行していた。 


悪いクセだ。



第15回 福島 新 2007年05月13日

不夜城。

夜の渋谷に光るネオンは眠れない人々を引き寄せる。
虫を引きよせる街灯のように。

秀長たちは慣れた様子で渋谷ハチ公口を通り、
渋谷センター街を抜けてマルキューの方へ向かっていた。
慣れない秀吉は二人を見失わないようについて行くのがやっとだ。

「黒人…多いよね」
ブラック・レボリューション

二人はちょうど裏通りのビルに入っていくところだった。

ラブホテルであった。

「ふ、ふけつよ!!」
秀吉はフロントに駆け込んだ。
ちょっと走っただけで息が切れる。


「さ…さっきの客の……兄です!!」



第16回 ティンゴ 2007年05月12日

ラブホ店員「はぁ?」 


秀吉「だ、だからっ、さ、さっきの!さ、さっっきの…」 


ラブホ店員「あぃん?」 




秀吉「ああ!何でもないっす!か、帰ってもいいですか!」 

すたたたた 



秀吉はラブリーホテルのシステムを知らない。 

(秀長のやつ…はっ!) 





「一人暮しかぁ、いいなぁ」 



弟が渋谷のラブリーホテルに引っ越したと思い込んでいる秀吉に忍び寄るアラタな刺客、 
彼の身に起こる奇妙な出来事の背後には、延びきったパンツのゴムが縮む程の超巨大組織の影が、
何の脈絡もなく潜んでいるのであった。 



謎の人「あのぉ… 



第17回 福島 新 2007年05月14日

よく見ればそれは、駆であった。「かける」と読む。 
秀吉のクラスメートであった。 

読んで字の如し、走るのが速い。 
ので、クラスのヤンキーたちのパシリに重宝されている。 

「こんなとこで、何してるの?」 
秀吉は驚いて言った。 

「いやぁー、椎名町で秀吉はん見かけて、そのまま後つけてきてもうて」 
駆はバツが悪そうに頭をかいた。 

「いや、秀吉はん、それはいいんや」 
と、言葉をついで、 
「明日さ、高尾山行かへん?」 
駆は言った。 
「え? 高尾山?」 
「そうや、火渡り知ってる?」 
「知らん」 
「火渡りはなー、火を渡るんや」 
駆は得意げに言う。 

「はぁ…」 

「京王線でな、高尾山口まで行くんや 
 火渡りってのは、まあいわゆる、厄払いやな」 



第18回 ティンゴ 2007年05月15日

翌日、方向音痴×2の駆と秀吉は成田山に向かっていた。 
成田エキスプレスでね。 




駆「秀吉はん、パスポート持ってきたん?」 

秀吉「え?う、うん」 




こーゆーのをミラクルってゆーんだよね。 
人生にミラクルはつきもの、ってやつを見せてくれています。みんな二人に感謝しよう。 



で、行き先はというと… 





もち 
 ア メ リ カ 


二人はアメリカンドリームを手にする事が出来るのか、誰にも分からない。 
が、彼らにとってこの一歩がさらなる何かである事は言うまでもない。 


それだけだ。
 


第18回 福島 新 2007年05月19日

「アテンションプリーズ。当機はNY行きの便です。これから積乱雲を通過しますので、
 若干揺れます。しっかりとシートベルトをして下さい」 

機内アナウンスで秀吉は目が覚めた。 
窓の外を見ると、薄暗い。 
下に雲が、その下に海。小さく島が散らばっている。 

ふとみると、前の席の子供が席の隙間からこっちをウカガッている。

白人の子供。

握り締めたおもちゃのピストルが背もたれの上からのぞいている。 
秀吉は優しい気持ちになった。 

「坊やも眠れないのかい?」 

「…………」 
少年は答えない。 

「おっと、自己紹介が先だったね。マイネームイズ ヒデヨシ。フフフ」 
秀吉はにっこりとして言った。 

「キス・マイ・アース!」 
少年は中指を立てて、もう一方の手で握った拳銃を秀吉に向けた。 
「バーン!」 


そう、これから行く土地はこういう場所なのだ。 
肉食人種の狩猟民族の土地。 
タフでなければ生きては行けない土地


*********************************************
で、なんやかんやで、ハイジャック犯の放った銃が
機体に穴を空けたわけだ。
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第19回 ティンゴ 2007年05月20日

「秀吉はん」 

駆はウインクをしてみせた。 
秀吉もその意味をすぐさま理解し、頷きながら 

「駆くん、ひさしぶりだね フフッ」 





秀吉と駆はおもむろに、玉のしわをのばし始めた。 


過去に二人は首相官邸に突然落下してきた巨大な不信任票をこのシワノバシで跳ね返し、
当時の総理大臣から「いや〜わりぃねぇ」といってもらった経験がある。

メディアはこれに疑問を投げ掛けたものの、
玉だけにたまたまか、と一同ケムに巻かれる結果となった。 

これで機体の穴を塞ごうというわけだ。 

1時間後… 


乗員乗客280人を乗せた機は、無事ペンシルバニア州ピッツバーグ空港に緊急着陸、そう、 


クリスの生まれ故郷。 


第20回 福島 新 2007年05月21日

何かがおかしい。

霧が濃いのは確かだが、それだけではないような雰囲気が漂っている。

二人は乗客たちに混じって、滑走路に降りた。
スチュワーデスが先導してくれるが、深い霧でどこに向かっているのかもわからない。

時折鯨の吼えるような音が聞こえてくる。

「ぶるぶるっ。秀吉はん、こりゃなんやろな。ほんま空港に向かってるんかいな。
 さっきから歩きっぱなしやないか」
駆は薄気味悪そうに首をちぢめた。

秀吉も口には出さないが、不安を隠せない。

「あれー!? 秀吉はん大変でっせ! いつのまにか、わいらだけになってますぜ!」

確かにさっきまでいたはずの乗客たちが忽然と姿を消している。

「シャーラーッツプ!!!」

そのとき、先導していたスチュワーデスの女が叫んだ。
髪を振り乱し、すごい形相でこっちをにらんでいる。
こころもち体も大きく、膨らんで、見える。


第21回 ティンゴ 2007年05月22日

巨人。 

濃い霧でよく見えなかったが、街灯の明かりに照らされたスチュワーデスの姿は正に、 





ジャギそのもの。 


「あ〜ん?兄よりすぐれた弟など存在しねぇんだよぅ」 


秀吉は、共感していた。 

この人、見た目はすごく恐いけどなんだか僕と似ているな。 


痛みが分かるんだね♪ 


「秀吉はん、何なごんでんねん、いまめっさピンチやねんで、しっかりしてもらわな!かなぁーんでまったく!」 


「か、駆くんは何も分かってないよ、僕たちの気持ちなんて。」 


「な、な、なんやて!ほんだらあの巨人とアメリカ観光しとったらええがな!わて一人で行くさかい!」 


「ふんっ!すきにすればいいよ!」 








☆仲間割れ★ 

秀吉と駆は自由の国アメリカで正に自由行動。 
何も分からない土地での致命的なケンカ。 
若さは時に取り返しのつかない不運を招く。この二人も例外ではない



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次回は福島取材のため、代わりに泥人形が代筆します。

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第22回 泥人形 2007年05月22日

「パンッパンッ!!」

銃声がこだました。
秀吉は太股に激痛を感じ、その場に崩れ落ちた。

「撃たれた…」

秀吉は仰向けになり、空を仰いだ。

ああ。アメリカも、日本も空だけみたら、同じなんだな〜。
生まれ変わったら鳥になろう。
鳩になって、東京の空を飛んでみよう。鳩は平和の象徴だからな〜。
猫に食われない様にしないとなあ〜。

ああぁぁぁ…眠くなってきた。寝よう。起きたら天国だ。短い人生だった。

思えばもっと違う人生もあったのかもしれない。
もっと普通の。
人がするような当たり前の生き方が。でも悔いはない。十分生きた。
楽しかったとは言わないが、幸せだったとは言わないが、不幸ブルのは柄じゃない…。

「コツコツコツッ」

死神の足音が聞こえる。ああ。ああ。
ああ?痛い何かが頭をコツコツつっついている。
秀吉はそっと目を開けてみた。

ペリカンだっ!!

なぜペリカンが、なぜ俺の頭を…?
良く見るとさっきまで駆が着ていた服を着ている。
あら…このペリカン…。
このペリカンは〜…。

「秀吉〜俺ペリカンになっちまったよ〜」

ペリカンが喋った。紛れもなくこの声は駆であり…。
さっきまでこの人と喧嘩をしていたわけであるが、今はペリカンになり…。

「え〜っ、まじかよ〜。。なんで〜」

「いや〜分かんないんだけど、なったよ。取り合えず日本に帰ろう。話はそれからだ。さっここにっ」

パカッ。
ペリカンはソッとクチバシを開け秀吉を口の中に入れてとびたった。
空には夕日が見え二人を照らしていた。
トテも大きくて真っ赤な綺麗な夕日だった。

そして秀吉は暖かいペリカンの口のなかで眠りについた。
東京は足立区千住につくまで深く心地の良い眠りに落ちたのだった。  



第23回 ティンゴ 2007年05月23日

目覚めるとそこは東京。 


無事に帰国した秀吉と鳥を待ちうけていたのは、信じがたい光景だった。 






家が消えてる。 



忍びの世界に入り込んでしまった秀吉の家族は、いっさいのご近所付き合いを遮断するため、住みかを人の目につかない所に移してしまっていた。 

秀吉の帰る場所はもう何処にもない。 

「駆くん、きみは帰りなよ。きっとおかあさんも心配してるよ。」 



「……」 



「か、駆く…」 


ばさばさばさばさっ! 




駆=本物の鳥。 




秀吉、時に孤独。 

絶望の淵に立たされた秀吉に救いの手を差し伸べる一人の女性。 







コリン星人 


世の中には科学では解明できない様々な不思議が潜んでいる。ゆうこりんもその一つ。 

それだけだ。 



第24回 福島 新 2007年05月26日

オカポン 「いやー、ティンゴくん。ゆうこりん好きは分かるけど、 
      この原稿自分の趣味出しすぎだよ〜。」 

ティンゴ 「編集長。でも、これだけは曲げられないんっス。おれの忍道っす」 

オカポン 「ゆうこりんねえ…」 

ティンゴ 「はい。ゆうこりんっス」 

オカポン 「そうか…そんなに好きか?」 

ティンゴ 「好きっス」 

オカポン 「いや、実は今うちにな…ゆうこりんへのインタビューの仕事が、 
      入ってるんだ。おまえやるか?」 

ティンゴ 「ハイ!! この命、燃え尽きるとも!!!」   


第25回 ティンゴ 2007年05月27日

アラタくん 

フフッ。我々もどうやら次のステージに行く時期のようだね。



第26回 福島 新 2007年05月28日

ティンゴくん 

フフフ。そうだね。 
「リレー小説界の翼くんと岬くん」と呼ばれる我々に恐れるものはないよ。 


と、いうことでティンゴは 
来るゆうこりんへのインタビューに備えて、 
シュミレーションをやることになった。 

「じゃ、私がゆうこりん役をやるから、そのつもりでな。 
お前がゆうこりんのいる楽屋に入るところからやるぞ」 

ワンピースに着替えたオカポンの指示でティンゴは一度部屋を出る。 

コンコン 

「どうぞ〜☆」 
「失礼しまーす」  



第27回 ティンゴ 2007年05月28日



ガチャリ 



扉を開けるとそこには… 





おかぽんの姿をしたゆうこりんが水着姿で素振りをしていた。流し打ち、バントそしてホームラン! 

ナボナはお菓子のホームラン王です。 



ティンゴ「なぜ、素振りを?」 

おかりん「あん?」 


ティンゴ「あっ!すっ!すいません質問かえます!えーとぉ…」 


ティンゴは子供の頃女子の水着を盗みキャッチボールなどを楽しんだ後どうしていいか分からなくなり、 

捨てた経験がある。 


水着には、負い目がある。 


部屋を飛び出したティンゴは無我夢中で走った。 


走った 


走った 



走った 



走… 




夢か… 


釣りをしていたアラタはあまりのぽかぽか陽気につい眠りこけていたノダ。 

謎の釣り人「にいちゃん引いとるで」 


「フィーッシュ!!」 

アラタは狂ったようにリールを巻いた、 

でかい!体ごともってかれそうだ、ちくしょう!魚ごときがナマぬかしてんじゃ!!! 

ばっちゃーん! 




じっちゃーん! 


じっちゃんの顔にかけて! 

魚に引きずられながらアラタは確信した。 

(こいつぁ、太平洋のヌシに違いない!) 
 


第28回 福島 新 2007年05月28日

「うひゃ」

アラタはそう言い残すと、魚に食べられた。

ティンゴがゆうこりんを孕ませたのはもっと先の話。



3ヶ月後、

見渡す限り地平線の荒野に秀吉の姿があった。

秀吉は結局、駆と別れたのだ。

今までずっと、一緒だった駆との別れは身を引きちぎられるようだったが、
ジャギのたくましい背中につかまっていると、 
心がやすまった。 

ジャギの操る巨大なハーレー・ダビッドソンはペンシルバニアの荒野を一直線に走る。 
ここはまさに無法地帯。

荒くれ物たちの集う大地。



第29回 泥人形 2007年06月1日

突然ジャギはハーレーを停めた。
そして西の空をにらんでいる。
「どうしたんすか?」
秀吉は恐る恐る聞いてみた。
「…どうやら、おいでなすったようだ…」
「はあ…誰が…」
ジャギは西の地平線を無言のまま指差した。
あらっ、地平線と空の間に黒いもやがかかっている。
「黒いすね〜雨雲すかねえ」
「いいや。ありゃー、イナゴの大群だ」
イナゴの大群!
あわわ大変だ。
「あいあ〜大変だ〜イナゴの大群が通ったあとは草一本のこらないらしっすからに」
秀吉は空を眺め呆然と立ち尽くした。
「どうすりゃいいすか?」
「ん〜俺も解らない…」
ジャギもまた呆然と立ち尽くし、気付いた時にはイナゴの嵐に飲み込まれていた。
一時間後イナゴは、全てを食い付くし去っていった。
秀吉どジャギの骨だけを残し。
カタカタ。カタカタ。
「カタカタ。骨だけになっちまいましたよ〜。どうすりゃいいんすか〜」
「ん〜解らない」


 
第30回 福島 新 2007年06月2日

アメリカには軍事基地が多数あるのを、読者のみなさんはご存知だろう。 
人里はなれた荒野の中に、厳重な警備に囲まれて基地はある。 

秀吉とジャギの二人が運び込まれたのも、 
そういった基地の中の一つである。 


「博士、実験体への手術が完了しました。もうじき目を覚まします」 

こう言われて振り向いた白衣の老人は、杖を取り立ち上がった。 

「うむ、では面会に行こう」 



ガガガガガガガガガガガガガ 
ドドドドドドドドドドドドド 


「きゃっほ〜い!!! すげーぜ!」 

ジャギは右手につけられたガトリングガンで並べられた標的を粉々にしていた。 

「ジャギさん、おれも見てくださいよ! うひょ〜」 

秀吉はコウモリのような羽でスイスイと空を滑空している。 

「気に入ってくれたようで嬉しいよ」 

先ほどの博士が目を細めて改造を施された二人を見ている。 

「気に入ったもなにも、助けてもらった上に 
こんなウエポンまでつけてもらってありがてえぜ」 

「ほんとです、恩義ある博士さんの命令ならペンタゴンにだって特攻かけますよ」 


「そうか、では話が早い」  



第31回 ティンゴ 2007年06月3日


ん? 



博士「なんだこの音」 


ぷすん、しゅー 
ぷすん、しゅー 
ごとん、ごとん… 

ごろり 


秀吉とジャギは壊れてしまった。 

「チクショウ!またこーなんのかよ!」 

博士は戸棚に手を伸ばしウイスキィのビンをらっぱ飲みに飲み干し、助手の田中を睨み付けた。 
田中は勘の良い男である。 
「分かりましたよ博士」 


どうやら田中は国際電話をかけている。 

「あ、もしもし… 




一週間後。 

沖縄のとある島。 



「先生、宅急便が届いてますけどぉ…」 



ZZZ… 



「もー、コトー先生ったら!またこんな所で寝ちゃって、風邪ひきますよ!」 


「あぁ」 


そのとうりここは 
ドクターコトー診療所☆ 



田中大間違い 


その頃アメリカの軍事施設では博士が田中を縛り付けていた。まぁそーゆー趣味なんで。 

博士「田中てめぇ!オレの顔に泥塗りやがって!何でオレのブラピフィギア日本に送るわけ?あれが無いとオレはなぁっ!お、オレは、お、お、ぼくは…」 


田中は不適な笑みを浮かべている。 


実際田中はドS 


だが、そんな事はどうだっていい。 




それだけだ。 



第32回 福島 新 2007年06月3日

まあ…なんとか秀吉とジャギはなおった。


一週間後…


4人はいつものように基地のそばのハイウェイ沿いにある
ファミレスで晩飯を食べていた。

4人とはもちろん、秀吉とジャギ、博士と田中である。

「秀吉さんソース取ってください」

「田中さん、あんまり塩分取りすぎないほうがいいですよ」

秀吉はソースを田中に渡した。
田中はコロッケにたっぷりソースをかける。

「こいつの家はえらい貧乏じゃったから、少ないおかずでご飯を食べるために、
そういうのがもう、習慣になっとるんだわ」

博士が言うとみんなが笑った。
田中は照れたように頭をかいた。

「そういや田中さん下の名前なんていうんすか?」
秀吉は言った。

「あ、まだ知らなかったか、良範だよ。よしのり。
良い模範になるようにって、親が願ってつけてくれたんだね」

「へー」



第33回 ティンゴ 2007年06月4日


田中良範。 



彼がアメリカの軍事施設に博士の助手としてやって来たのは4年前の事、それまでは東京でバンド活動に勤しんでいた。 

バンド名は… 


【かぁさんお茶】 

略して、KO†。 


ビジュアル系サイコバンド。熱狂的なファンによる反社会活動は当時のメディアを騒がせる事となる。後にバンド活動を映画化した、 
【お腹痛いっぽいんで早退してもいーっすか】が大ヒット映画となり国際映画祭にノミネートされた驚異は記憶に新しい。 

正に順風満帆、飛ぶ鳥を落とす勢い。そんな彼らに一体何が… 



そう、 

田中良範である。 
ある日彼はメンバーを前にこうつぶやいた。 


「おれ、ろぼっと。」 



長年の付き合いで互いの気持ちが分かっちゃうんだよね♪ 
メンバーは口をそろえてこう応えた。 




「あめりか、はかせ。」 


そんな流れで渡米。 
博士の助手田中誕生。 
彼の考えは誰にも解らない、ただ、メンバーを除いて 




それだけだ。 



第34回 泥人形 2007年06月6日

田中のモトに小包がとどいた。
田中に小包が届くことなど今まで一度もなく、手紙一つ届いたことなどなかった。
田中は恐る恐る送り先を見てみた。
「吾藤…」
ゴトウ…。
…!!
コトー先生だ!
コトー先生からの小包だった。田中は早速箱を開けた。
なんだろか…。本と手紙がはいっている。
「お元気ですか?
島は相変わらずです。みんな元気です。
ところで、その辞書ですが、僕が昔医者になる勉強をしていた頃恩師に頂いたものです。それを君に譲ります。
ソレでは勉強頑張ってください。
吾藤」

…勉強。勉強しろってことか…?
田中は辞書をペラペラめくってみた。
古い辞書だなあ。

最後のページに手書きで何か書いてある…。
「ボーイズビー…アンビシャス…」

少年ビーアンビシャス。
田中は英語がサッパリ解らなかった。



第35回 ティンゴ 2007年06月10日



少年ビーアンビシャス。 




田中はそのページを破り捨てた。ゆっくりと目を閉じて瞑想に入る。 

そう、無の境地へと心の中のあらゆるものを消してゆく。 



「だ、だめだ…オレには無が無い。」 


田中はこの瞬間悟りを開くこととなる。 


「さいど、ばんど」 



田中は秀吉に声をかけ新たなバンド結成に向けメンバー探しの旅に出た。 

アメリカの大地を離れ、祖国日本へと、夢と希望そして大きな志をギターケースに詰め込んで。 


少年ビーアンビシャス。 



第36回 福島 新 2007年06月11日

【かぁさんお茶】 

略して、KO†

かつて日本中を熱狂の渦に巻き込んだこのバンドのリーダー田中が帰ってきたのだ、
成田ではさぞ過熱した報道陣に囲まれると思いきや、
待っていたのは2、3人のもう若くはない、かつてのグルーピーだけだった。

「…田中さん。ほんとにバンドやってたんすか…?」

秀吉は疑わしげな目を田中に向ける。
こうやってみると、長旅に疲れた、ただのおっさんにしか見えない。

「たぶん日取り間違えたんじゃないかな。ほら時差の関係とかあるし」

必死でとりつくろう田中を見て、秀吉の心はますます離れていくのであった。



第37回 ティンゴ 2007年06月12日


かつて一世を風靡した彼らであったが5年のブランクはバンドにとって致命的であり、不吉な空気だけが成田空港を取り巻いていた。 

メンバーの表情を見ると明らかに生活苦による悲愴感がにじみ出ている。 
そんな隠しようの無い現実を目のあたりにしながらも田中だけは気丈に振る舞っていた、すげーね田中。 


とりあえず一行はかつての所属事務所を尋ねた。 

しかしそこにはテナント募集の看板が掲げられていた。 

「なんてこった…」 
田中は頭を抱え込んだ。 


実際はこうゆう事らしい。 

KO†活動休止の後、暴徒化した一部熱狂的ファンによる国家転覆計画の発覚、この未遂事件をうけて公安当局によるローラー作戦の実施、摘発、逮捕。と全国で1600人に及ぶ逮捕者を出すという前代未聞の大事件へと発展。当然のことながら事務所は閉鎖、解散。残されたメンバーは5年に渡る逃亡生活を強いられる事となり、現在も茂みに身を隠す生活を送っている。 


「先に言ってよぉ」 


困り果てた田中の背後に忍び寄る不吉な影。今後彼らに明るい未来が有るのか否か、誰にも解らない。 

誰にも。 





それだけだ。


第38回 福島 新 2007年06月13日

まあとりあえず、以前のメンバーには見切りをつけた田中と秀吉。
田中ボーカル、ドラム秀吉なんで、あとはベースとギターが必要だった。

豊島区は東長崎に帰ってきた二人は、とりあえず、街の電柱に
メンバー募集の貼り紙を貼って歩いた。

待つこと2時間……田中の携帯がなった!!!


「もしもし、こちらKO†本部、田中だ」


「ハロー」


次回、衝撃の新メンバーが…!?



第39回 ティンゴ 2007年06月15日

「ハロー!貼り紙見たわよ、お久しぶりね田中くん。私よ、フ ジ 子。」 

フジ子。田中とは小1からの幼なじみだ。田中はその燃えたぎる恋心をついに一度も打ち明ける事が出来なかった。 
そんな憧れの彼女が今正にベーシストとしてメンバーに加わろうとしている。 

飛んで火に入る夏の… 

 フ ジ 子 

田中は白目を剥いてよだれを垂らす始末。 

やれやれ 


とそこへ今度は秀吉の携帯が鳴った。 

「もしもし…」 


「あ、あの、ビラ見ました。オレ、ギ、ギターやってる… 



エリック・プランクトンだ」 


ガーン!大物ヒット! 
ホームラン!!! 


ナボナはお菓子のホームラン王なのか!? 

果たしてそいつぁどうかな? 


KO†復活なるか! 

とりあえず江古田のとあるスタジオにて初顔合わせと言う事に。



第40回 福島 新 2007年06月16日

「やめやめやめやめーっ!!!!」

そういうと田中は怒ってスタジオを出ていってしまった。

あとに取り残された3人はぽか〜んとしている。

ベース:フジ子…かつての美貌はもうなく、無理やり履いたジーンズの上から
のぞく肉が痛々しい。

ギター:プランクトン…似ていたのは名前だけ。交換留学生で日本に来たジャパニメーションオタク。
しかもギターはエアギター。

ドラム:秀吉…もちろんドラムに触るのは人生初めて、というか忍者修行はどうなった。

3人は取り合えず腹がへったので、秀吉の案内で近くの定食屋に行くことにした。


「マスター、若鶏のチリソースがけね。あ、みなさん、これ美味いんすよー」

「じゃあ私も」

「ミーもそれで」


「…田中さん怒ってましたね」
秀吉は言った。

「怒ってアメリカ帰っちゃいましたかね」
秀吉は言った。



第41回 泥人形 2007年06月21日

次の週。
スタジオに集まったメンバーはは前回とはくらべ物にならないパホーマンスをみせた。
プライドをかけ、いちプレーヤーとして生まれ変わった。
フジコはハラにマンジュウを乗せリズムに合わせ二段腹でたべたり出したり、食べたり。
クラプトンは、エアートロンボーンになっていた。
秀吉はジャジーかつファンキーなリズムを叩きだしていた。ノータム、ツースネアから繰り出される表現力豊かなドラミング。
マサに別人に生まれ変わったようだ。

そう別人である。
秀吉は太った黒人を騙し自分の身代わりにして逃げた。
アフロでデブな黒人
しかしながらメンバー誰一人それが偽物である事には気付いていなかった。
そう。秀吉の死体が発見されるまで誰も。



第42回 ティンゴ 2007年06月22日

黒ウーロン茶 

黒コーヒー 




黒秀吉 

めちゃ溶け込んでるし。 



秀吉の遺体は今だに発見されていない。我々取材班は当時の秀吉氏をよく知るという人物に話を聞く事が出来た。(プライバシー保護の為音声を変えています) 

私「秀吉さんと最後に話したのはいつ頃ですか?」 


「…」 


私「あのぉ…」 


「‥」 


私「じじいてめぇ!やる気あんのかぁ?あぁんっ!」 

「・」 






「死…死んでる」 



第43回 福島 新 2007年06月22日

秀吉は誰かにゆすぶられて目を覚ました。

「う、う〜ん…もう少しだけ寝かせてくれ…」

「秀吉はん!秀吉はん!あきまへん」

聞きなれた声がする。

「あれ、駆くんじゃないか」

駆は裸だった。

周りがやけに騒がしい。
どうやら地べたに寝ていたようだ。

そして、蒸し暑い。
もうもうと蒸気が立ち込めている。

「早くせんと鬼が来よるから!逃げんと!」

そう、
秀吉は地獄に落ちていた。

そして、鬼の人間狩りがいつものように始まる。


つづく



第44回 ティンゴ 2007年06月23日

秀吉in地獄。 








地獄やら鬼やらを想像してみると赤ぐろい荒れ果てた荒野におぞましい姿かたちの鬼や痩せ細り廃人のごとく彷徨い歩く人々の列… 






ブッブー! 


違うんだよ本当は。 


実際の地獄は現実の世界と全く同じ、唯一決定的に違うのは生死が無いだけ。言わば【永久バーチャルシステムVOL.1】ご存じかな、VOL.17まで出てるんだよ。しかも天国と地獄はまるっきり一緒なんだよ。だってみんなも知ってるでしょ? 
【天使のブラ♪】 






なぁにが天使じゃぁっ! 
悪魔だろぅが悪魔っ! 



す、すいません、つい取り乱しました。 



ゆーわけで偶然の再会を果たした秀吉と駆は迫り来る鬼ーさんから身を隠すべく全力で走った。 
不運にもエンマ大王の家目がけて。 



第45回 福島 新 2007年06月26日

「おい、交代の時間だ」

秀吉は夜の見張りから解放されて、居住区に向かった。
100人近くいた仲間も今ではもう30人に満たない。
こうして、鬼の目から逃れて、
岩場の隠れ家にひっそり暮らしているのだ。

「秀吉兄ちゃ〜ん!」

見ると、数人で固まって遊んでいた子供たちの中から、
一人義足をつけた男の子が駆け寄ってくる。

「おお、たかし、元気だな」

秀吉は子供を抱き上げた。

駆の忘れ形見だ。

秀吉の髪にはうっすら白髪が混じる。



第46回 ティンゴ 2007年06月27日



ふと瞳を閉じると駆が問い掛けてくる。駆は当時の姿のまま… 


(秀吉はん、いつまで苦しむんや、たかしと優子のこと、あんたに任せたんやで、優子の気持ちは秀吉はんも分かっとるやないか。 

優子を幸せにしたってぇな、たのんだで。) 



10年前に未亡人となった優子を不憫に思いながらも沸き上がってくる恋心をずっと必死に押さえ込んできた、駆を裏切りたくはない。そんな秀吉にいつからか駆が問い掛けてくるようになった。 


「分かったよ駆、オレが優子を幸せにする。約束する。」 



優子は夕食の支度をしていた。 


秀吉「優子…永い間すまなかった、やっと心の鎖が解けたよ、オレが優子を幸せにする。一緒になろう。」 








優子「死ねハゲ」 




★青春の1ページ☆ 



秀吉は泣き笑いのようなへんてこりんな顔をしていた。 



第47回 福島 新 2007年07月1日

しばらくして、優子のもとに男が通うようになった。

この辺り一帯で武器の売買やらを手広く扱っているおっさんが。

優子もなにやら小奇麗になっている。



「たかし、なんだか久しぶりだねえ」

「あ…秀吉兄ちゃん」

「ほら、おまえがずっと欲しがってた、ライダーベルトもってるんだ。
 ゴミ山でこれ見つけるの苦労したんだぞ」
「ちょっとベルトが切れかけてるけど、縫えば問題ないぞ}

ここには現世からゴミが流れ着いてたまる場所があり、ゴミ山と呼ばれている。
みなそこから生活品を漁って暮らしているのだ。

たかしは何故かもじもじしている。

「ん?どうした?」

「あの、もうそれ持ってるんだ。新品のやつ……雅彦おじちゃんにもらったんだ」


「雅彦おじちゃん…」

秀吉はアホみたいにたかしの言葉を繰り返した。



第48回 ティンゴ 2007年07月3日


がびーん! 





「雅彦…おじちゃん…」 



秀吉はやり場のない思いを胸に長年暮らしてきた隠れアジトを後にした。 

(なぜだ、なぜオレばっかしこんな目に遇わなきゃなんねぇんだ。もー頭にきた!クソッ!クソッ!クソッ!) 



道なき道をとぼとぼと歩く秀吉にそっと手を差し伸べる一匹の鬼。 



お客さん 





人間狩りですよ。 


がびーん!×2 


「ひー!た、た、たーすけてー!」 



皆さんは狩られた人間がどうなるかご存じかな? 
ご説明しよう。 
狩られた人間はまず人間集積場に集められ殺菌消毒された後無菌室へと運ばれる無菌室にはさまざまな菌がばらまかれ再び人間集積場に集められ殺菌消毒される。この繰り返しが永久につづく。 

ノーフューチャー。 



ところがその鬼は秀吉を狩ろうとしない、それどころかうっすらと目に涙を浮かべ秀吉にそっと語りかけてきた。 


鬼「あんた…つらかったろうに、おいら、見てたよ」 
鬼の目に涙。大粒の涙がこぼれ落ちた。 


「おいらについてきな、おいら、あんたを… 





助けるよ!」 



人間と鬼、まさに愛が生まれた瞬間 


「あんた名前なんてんだ?おいら、黒光りだよ。ゲイさ。」 



第49回 福島 新 2007年07月5日

「ゲイっすか…」

「そう、ゲイ」

秀吉は平成生まれなので、同性愛に対する偏見は少ない。
それでも、鬼のゲイとこんなところに二人きりというのは不安をかきたてる。

「あ、心配しないで。おいらデブ専だから」

秀吉の不安を察したのか、鬼はニッコリして言った。

「で、でも…それ、なんですか…?」


秀吉の視線の先には、ピンコ立ちになった立派すぎる一物があった。


「あ、これ…朝立ちだから」

鬼はニッコリして言った。



第50回 ティンゴ 2007年07月6日

メガ黒光り。 




(朝立ちって…夜なんすけど…) 


「ヒデはさぁ犬好き?犬」 

「はぁ、昔飼ってましたけど」 


「そっかぁ、じゃあローションは?」 


「えっ?ロ、ローション?…」 



どうやら黒光りは自宅に向かっているらしい。 

程なくまるた小屋に到着、中は質素ながらも小綺麗に整理されていて中々居心地が良い。 


「今日はもう遅いから泊まってくといいよ、ヒデはベッドで寝たらいい、おいらソファーで寝るから…じゃあおやすみ〜」 


パチリ



第51回 福島 新 2007年07月7日☆最新話

暗闇のなか、
秀吉はただじっと目をつぶって、事が終わるのを待っていた。

「無駄な抵抗はしない」
それが今までの人生で、弱者である秀吉が自然と身につけた習慣だった。


痛みと悔しさと心強さと…

もう涙もでない。



1週間後、秀吉は鬼の子を身ごもった。


つづく



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